
本記事では、イベントスタッフの概要、仕事内容、1日の仕事の流れ、働き方・ライフスタイル、年収、求められる適性・向いている人、働く辛さ・大変さ、将来性、イベントスタッフになる方法、関連する資格について紹介します。
イベントスタッフとは
イベントスタッフとは、イベントの運営をサポートするスタッフのことです。ここでの「イベント」には、コンサートやライブ、フェスティバル、スポーツ競技大会、ヒーローショー、セミナーなど、幅広いイベントが含まれます。
イベントスタッフは、会場の設営・撤収作業、受付、会場内の案内・誘導、警備、グッズ販売など、さまざまな仕事を担当します。イベント会社などの正社員がイベントスタッフとして動くこともありますが、イベント開催期間限定のアルバイトという形での募集も多いです。アルバイトの場合は、自分が何の担当になるのか、当日までわからないケースもあります。
イベントスタッフの仕事内容
イベントスタッフの仕事内容は、何の担当になるかによって異なりますが、直接参加者と接する表方の仕事と、イベントの成功を裏から支える裏方の仕事に分けられます。何か一つの仕事の担当になることもあれば、イベントによっては複数の仕事を任されることもあります。
表方の仕事
表方の仕事としては、たとえば以下のような仕事があります。直接参加者と接するため、正しい言葉遣いや接客マナーが求められます。
- 受付・チケット確認……会場に入るために必要なチケットを確認して半券を切り取ったり、受付をしたりします。
- 会場内の案内・誘導……参加者を会場内に案内したり、お手洗いや自分の座席などを尋ねられた際に誘導したりします。安全にイベントが進むよう、会場内を巡回することもあります。
- フード・グッズなどの販売……フードやグッズなどの販売がある場合、販売業務をサポートしたり、呼び込みをしたりします。
裏方の仕事
裏方の仕事としては、たとえば以下のような仕事があります。裏方の仕事は力仕事であるため、体力と筋力が求められます。
- 搬入搬出・設営……イベント開始時刻よりもかなり早くに集合し、機材の搬入搬出と、会場のセッティングを行います。
- 機材・備品等の運搬……会場内にもともとある機材や備品を、そのイベントに合わせて移動させます。最後はもとの状態に戻さなくてはならないので、最初にあった位置をきちんと記録しておかなければなりません。
- 舞台やブースの設置・撤収……舞台やブースを用意するのであれば、その設置と撤収、原状復帰を行うのもイベントスタッフの仕事です。
イベントスタッフの仕事の流れ(1日)
イベントスタッフの1日の流れは、イベントの内容や担当する仕事の内容によっても変わります。あくまで一例ですが、株式会社IKUSAで「戦国ワークショップ」を実施した際の、イベントスタッフ(※アルバイト)の1日を紹介します。
8:00 | 会社に集合。車で現場へ向かう。 |
9:00 | 設営(テントを立てる) |
10:00 | ロールプレイング |
11:00 | イベント本番(イベントスタッフの仕事:参加者対応・接客) |
16:00 | 撤収作業 |
イベントスタッフの働き方・ライフスタイル
イベントスタッフは、期間限定や単発のアルバイトという形で募集されることが多いです。このような求人を探して応募し、採用されればイベントスタッフとして働けます。
また、スタッフ登録をしておけるイベント会社や派遣会社もあります。就労を希望する日を知らせておくと、仕事を紹介してもらえるという仕組みです。スタッフ登録で働く場合、働く日数は自由に決めることができます。そのため、学生だけでなく、社会人で副業として土日祝にイベントスタッフとして働く人もいます。
イベントの種類や内容にもよりますが、どうしても開催日は土日祝が多くなります。そのため、休みの日にだけ働きたい人には最適な仕事ですが、安定した収入を求める場合は、イベントスタッフのアルバイトだけでは難しいかもしれません。
遠方で開催されるイベントの場合は、イベントスタッフも前泊するケースもあります。働くついでにいろいろなところに行ける・楽しめるというのも、イベントスタッフとして働く魅力の一つといえるでしょう。
イベントスタッフの年収
年に何回イベントスタッフとして働くのか、どのようなイベントなのか、どの地域で開催されるのか、お給料は時給なのか日給なのかなどによって、年収は変わってきます。
あくまで一例ですが、日給9,000円のイベントスタッフとして月8回働くなら、単純に計算すると、
「9,000円×8回×12カ月=864,000円」
となります。
ただ、イベントはコンスタントに開催されるとは限りません。イベントが入りにくいタイミングなどもあるので、安定はしにくいでしょう。
イベントスタッフに求められる適性・向いている人
では、イベントスタッフにはどのような人が向いているのでしょうか。
人を楽しませることが好きな人
自分が担当するのが搬入搬出・設営や機材運搬などの裏方の仕事であったとしても、「イベントに来てくれる人を楽しませたい」という気持ちが何より大切です。イベントスタッフは、人を楽しませる・喜ばせるのが好き、そういったことに自分もかかわりたいという人が向いている仕事といえます。
体力がある人
イベントの内容にもよりますが、丸1日かけて行われるイベントも少なくありません。また、拘束時間が長いというだけでなく、受付やフード・グッズの販売もイベントによっては立ちっぱなしになります。搬入搬出・設営や機材運搬などの担当者は、重いものをたくさん運ばなければなりません。
イベントスタッフの仕事は、体力が求められます。そのため、ある程度体力に自信がある人のほうが向いているでしょう。
初対面の人ともすぐに仲良くなれる人
イベントの規模にもよりますが、イベントに向けて、ある程度まとまった人数のイベントスタッフが採用されます。そして、イベントスタッフ同士は、当日に初めて顔を合わせることになるのが一般的です。イベントスタッフの仕事は、他のスタッフと協力して行う作業も多いため、初対面の人ともすぐに仲良くなれる人のほうが向いているでしょう。
逆に、「初対面の人と話すのが苦手」「気を遣いすぎて疲れてしまう」という人は、つらく感じるかもしれません。
イベントスタッフとして働くつらさ・大変さ
お伝えしたように、イベントスタッフは体力が求められる仕事です。体力に自信がない人は、「つらい」と感じることもあるかもしれません。具体的に「体力的につらい」と感じるポイントを、いくつか挙げてみます。
- 拘束時間が長く、基本的に立ちっぱなしなので足腰にかなり負担がかかる。
- 重いものをたくさん運ばないといけないので、体力を消耗する。
- 屋外のイベントでは季節や天候による大変さもある(例:猛暑日でも立ちっぱなしで物品販売 など)。
この他に、イベントによっては忙しさに波があり、時間がなかなか経たないことに「しんどい」と感じる人もいるようです。
また、当日は初対面の他のイベントスタッフと協力して作業をすることも多くなりますが、中にはどうしても相性が合わない人がいることもあるでしょう。それでも長時間一緒に作業をしないといけないので、これがストレスになるといった声も聞かれます。
しかし、イベントスタッフは普段なかなかできないことを体験できる魅力的な仕事です。興味がある方は、一度アルバイトをしてみてはいかがでしょうか。
イベントスタッフの将来性
将来イベント業界に就職することを目指しているなら、イベントスタッフのアルバイトは非常におすすめです。イベントに関連する職種はさまざまありますが、資格やスキルよりも、イベントに携わった経験が重視される場合が多いからです。イベントスタッフとしてアルバイト経験を積んでおくと、正社員として採用してもらいやすくなるでしょう。
また、受付やチケットもぎり、フード・グッズの販売といった表方の仕事を通して、コミュニケーション能力や接客マナーも身につきます。将来多くの人とかかわる仕事(接客など)を目指している人にも、イベントスタッフはおすすめのアルバイトです。
イベントスタッフになるには
イベントスタッフの仕事はさまざまありますが、どれもそこまで難しいものではありません。求人も「未経験者歓迎」の募集が多く、「経験がないから不採用」ということは、あまりないと考えられます。
イベントスタッフになる方法としては、イベントスタッフのアルバイトの求人を探して応募するか、イベント会社や派遣会社にスタッフ登録をして、希望日に仕事を紹介してもらうという方法があります。
イベントスタッフになるために必要な能力やスキルなども特にありませんが、先ほどお伝えしたように体力が求められる仕事であり、初対面の他のスタッフと協力して行う作業も多いため、体力とコミュニケーション能力がある人ほど、イベントに入りやすくなるでしょう。
また、これまでにテーマパーク(関西ならユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど)で働いたことがある人に向いている仕事です。このような経験があれば、アピールすることでイベントに入りやすくなります。
イベントスタッフに関連する資格
イベントスタッフになるために必要な資格は、特にありません。
もし、アルバイトを含めイベントの実務経験が3年以上あるなら、「イベント業務管理士」に挑戦してみてはいかがでしょうか。イベント業界に就職することを考えているなら、キャリアアップに役立つ可能性があります。
「イベント業務管理士」は、一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)が実施している資格試験です。イベントの実務経験が3年以上あれば、まず2級を受けることができます。2級は、イベントのアシスタントディレクターレベルの知識・スキルがあることを認定する資格です。2級に合格してさらに一定の実務経験を積み、受験資格申請を通過すれば、イベントディレクターレベルの1級を受けられるようになります。
この他に、受験資格を問わない「イベント検定」「スポーツイベント検定」「ユニバーサルイベント検定」という3つの検定試験もあります。
詳しくは、JACEの公式サイトをご覧ください。
公式サイト:イベント資格試験|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
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