イベント関係の仕事と一口に言っても、かかわる職種は多岐にわたります。企画を立案する人、現場を指揮する人、技術面を支える人、広報や営業で支える人など、イベントはさまざまな職種が協力しながら形になります。

また、音楽ライブでは音響や照明スタッフ、展示会ではブースデザイナーや営業担当、地域振興イベントでは行政との調整役が必要になるなど、それぞれのイベントで重要な役割を持つ職種が存在します。

本記事では、イベント関係の仕事と、その具体的な仕事内容についてカテゴリ別に紹介します。

イベント関係の仕事

イベント関係の仕事をカテゴリ別に紹介するとともに、詳しい仕事内容も見ていきましょう。

企画・制作

イベントの企画・制作を担うのは、イベントプランナー、プロデューサー、イベントクリエイターといった職種で、イベントの方向性を決めたり、全体の流れを設計したりする重要な役割があります。クライアント（イベントを実施したい企業や団体）の要望を形にして、最適なコンテンツや演出を作り出すため、創造力や調整力が求められます。

イベントプランナー

イベントプランナーは、クライアントの目的やターゲットに応じたイベントの企画を立案する職種です。市場調査を行い、コンセプトを設計し、企画として落とし込むのが主な業務となります。

また、予算設定や会場選定、協力会社やスポンサーとの交渉など、イベントを実現可能なものにするための調整も担うため、イベントの魅力を最大限に引き出し、関係者にアピールするスキルも求められます。

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プロデューサー

プロデューサーは、イベント全体の統括を担う職種で、企画の立案から運営までを一括で管理します。クライアントと折衝してイベントの方向性を決定するほか、スタッフの配置や予算管理、スポンサー対応など、多岐にわたる業務を担当します。

また、スケジュールを調整し、イベントが円滑に進むよう指揮を執るのもプロデューサーの役割です。各部門の責任者と連携しながら全体をまとめるスキルが求められます。

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イベントクリエイター

イベントクリエイターは、イベントのコンテンツ制作を担当する職種です。たとえば、謎解きイベントに使用する問題や仕掛けの制作、社内イベントで使用するボードゲームの開発など、イベントの世界観を具現化するのが主な役割となります。

また、音楽フェスではステージ演出を考案し、企業のプロモーションイベントではブランドのイメージに合った空間デザインを手掛けることもあります。視覚や聴覚に訴えるさまざまな仕掛けを考え、参加者の印象に残る体験を作り上げる創造力が求められます。

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運営・進行

イベントの運営・進行を担うのは、イベントディレクターやアシスタントディレクター、イベントマネージャーといった職種です。これらの職種は、イベント当日にスムーズな進行を支える役割を担います。事前の準備から当日の運営、トラブル対応まで幅広い業務があり、現場での判断力や調整力が求められます。

イベントディレクター

イベントディレクターは、イベント当日の進行を統括し、スケジュール通りに運営が進むよう管理する職種です。リハーサルの指揮も執り、スタッフへの指示出しを行うほか、音響・照明・映像などの演出のタイミングを調整する役割も担います。

また、当日のトラブル対応も重要な仕事の一つです。予期せぬ事態が発生した際には、迅速な判断と指示で問題を解決することが求められます。

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イベントアシスタントディレクター

イベントアシスタントディレクター（AD）は、イベントディレクターの補佐を務める職種で、準備段階から当日の運営までさまざまなサポートを行います。台本の確認や機材のチェック、出演者の誘導など、イベントディレクターよりも細かな業務を担当し、イベントが円滑に進行するように支えます。

現場ではディレクターの指示を受けて迅速に動くことが求められるため、臨機応変な対応力が必要です。経験を積むことで、イベントディレクターへとキャリアアップする道もあります。

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イベントマネージャー

イベントマネージャーは、イベント運営全体の管理を担う職種で、会場設営やスタッフ配置、来場者対応などを統括します。事前準備では、必要な備品の手配やリスク管理を行い、当日はスムーズな運営に努める役割があります。

また、来場者の安全を守るための導線設計や混雑への対策もイベントマネージャーの仕事です。警備スタッフや誘導スタッフとも連携し、イベント中のトラブルを防止するためのリスク管理能力が求められます。

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運営スタッフ

運営スタッフは、会場設営や来場者の案内、受付業務など、当日のイベント運営を幅広く担う職種です。たとえば、スポーツイベントでは競技の進行補助、展示会では出展ブースの管理、ライブイベントでは観客の誘導を担当することもあります。

このように、イベントの規模によって運営スタッフの仕事内容は異なりますが、参加者と直接かかわることが多いためやりがいも大きく、イベントの成功に欠かせない存在です。

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MC（司会者）

MC（司会者）は、イベントの進行を担い、会場の雰囲気を盛り上げる役割を持ちます。オープニングからクロージングまでの流れを把握し、出演者や来場者とのやり取りをスムーズに行うことが求められます。

トークイベントや表彰式では、ゲストとの掛け合いやインタビューを行うこともあり、臨機応変な対応力や話術が必要です。MCはイベントの成功を左右する存在として、場の空気に合わせた進行が求められます。

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技術

イベントの技術面を担うのは、テクニカルスタッフやテクニカルディレクターと呼ばれる職種です。音響・照明・映像・舞台装置など、各分野の専門知識を活かしてイベントを盛り上げるために、経験や技術力が求められます。

テクニカルスタッフ

テクニカルスタッフは、イベントの演出を支える技術専門職の総称です。音響・照明・映像・舞台装置の各分野に分かれ、それぞれの専門スキルを活かしてイベントに携わります。

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• 音響エンジニア

音響エンジニアは、マイクやスピーカー、ミキサーなどを駆使し、会場の音響環境を最適化する職種です。ライブイベントでは楽器やボーカルのバランス調整を行い、講演会やセミナーではクリアな音声を届けるための設定を担当します。

• 照明エンジニア

照明エンジニアは、照明機材の設置やプログラムの作成を行い、会場の照明を操作し、イベントの雰囲気を演出する職種です。ライブや演劇では、ステージの明暗や色彩を調整し、演出意図に沿った照明にします。

また、セミナーや展示会では、登壇者や展示物を適切に照らし、視認性を向上させることも重要な業務です。

• 映像クリエイター

映像クリエイターは、イベント内で使用する映像の制作や編集を担当する職種です。ライブイベントではステージのスクリーンに映し出す映像を作成し、企業イベントではプレゼン資料やプロモーション映像を手掛けることもあります。

また、リアルタイムでの映像演出を行う場合は、カメラオペレーターと連携してイベントの様子をスクリーンに映し出すこともあります。映像編集技術や演出のセンスが求められる職種です。

• 舞台装置スタッフ

舞台装置スタッフは、ステージやブースの設営・撤去を担当する職種です。ライブイベントではステージセットの制作や組み立て、展示会ではブースの設営を行い、イベントに適した空間を作り上げます。

また、舞台転換が必要なイベントでは、短時間でセットを変更する技術も求められます。設営時の事故防止や舞台装置の耐久性の確保など、安全性に関する知識やリスク管理も重要です。

テクニカルディレクター

テクニカルディレクターは、音響・照明・映像・舞台装置といった各分野のテクニカルスタッフを統括し、全体の演出を管理する仕事です。イベントのコンセプトに合わせて技術面の演出プランを策定し、各テクニカルスタッフと連携しながら進めていきます。

リハーサル時には機材や演出の最終調整を行い、本番でのトラブルを防ぎます。技術的な知識だけでなく、全体を見渡す視野や調整力が求められる職種です。

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デザイン

イベントのデザインを担うのは、グラフィックデザイナーや空間デザイナー、Webデザイナーといった職種です。イベント集客や当日の体験を左右するため、クリエイティブなスキルが求められます。

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーは、イベントのロゴ、ポスター、チラシ、パンフレット、バナー広告などにかかわるデザインを担当する職種です。イベントのコンセプトやターゲット層に合わせてデザインし、視覚的な訴求力を高めます。

また、SNSやウェブサイト用の画像制作も行い、オンライン・オフライン両方のプロモーションにかかわることもあります。デザインスキルはもちろん、マーケティングやブランディングの知識も生かせます。

空間デザイナー

空間デザイナーは、イベント会場のレイアウトや装飾、ブースデザインなどを担当し、空間全体の雰囲気を作り上げる職種です。展示会やフェス、企業イベントなどで、来場者の動線を考慮しながら魅力的な空間を設計します。

また、照明やインテリア、映像演出との連携も重要で、イベントの世界観を表現するために多方面の要素を統合する力が求められます。

Webデザイナー

Webデザイナーは、イベントの公式サイトや特設ページのデザインを担当する職種です。イベントの情報を分かりやすく伝え、チケット販売や参加登録の導線を快適にすることで、集客にも貢献します。

また、SNSと連携したキャンペーンページの作成や、イベント終了後のレポートページのデザインなども手掛けることがあります。

マーケティング・集客

マーケティングは、広報・広告・SNS運用などを通じてイベントの認知度を高め、集客につなげる役割を担います。イベントの成功には、ターゲットに適切にアプローチし、集客するマーケティング戦略が必要です。

マーケター

マーケターは、イベントの集客やプロモーション戦略を企画・実行する職種です。イベントの目的やターゲット層に応じて、適した宣伝手法を選び、集客を図ります。近年は、デジタルマーケティングのスキルが求められることが多く、Web広告やSNS運用の知識があれば生かせるでしょう。

マーケターの業務は多岐にわたりますが、大きく以下のような領域に分かれます。

• 広報担当：プレスリリースの作成やメディア対応を行い、新聞・雑誌・テレビ・Webメディアなどにイベント情報を掲載してもらい、イベントの認知度を高めます。取材対応も行うことがあります。
• 広告プランナー：イベントの広告戦略を立案し、Web広告や交通広告、チラシ配布など、イベントに合った手法を検討します。
• SNSマーケター：SNSを活用してイベント情報を拡散します。ハッシュタグキャンペーンやインフルエンサーとのコラボ、リアルタイムの情報発信など、SNSならではの施策を考えます。

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営業・顧客対応

営業職やカスタマーサポート職は、企業やスポンサーとの関係構築、参加者への適対応など、イベントの収益や満足度を左右する重要な役割を担います。

toB営業（法人営業）

企業のニーズを満たすイベント企画を提案する職種です。展示会やカンファレンス、企業セミナーなど、法人が主催するイベントを対象に営業活動を行います。

仕事内容には、クライアントとの商談や、イベントの企画提案、契約交渉、アフターフォローなどが含まれます。イベントを売り込むだけでなく、クライアントの課題を理解し、イベントを通じて解決策を提示する姿勢が求められます。

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スポンサー営業

イベントに出資してもらうためにスポンサー（協賛企業）との関係を築く職種です。スポーツイベントや音楽フェス、大規模な展示会などでは、スポンサーが大きな収益源となるため、スポンサー営業の役割は非常に大きいといえるでしょう。具体的な仕事として、協賛企業の選定や、提案資料の作成、交渉、契約締結などが挙げられます。

カスタマーサポート

イベントの参加者や来場者の問い合わせ対応を行う職種です。チケットの購入方法、会場までのアクセス、当日のトラブル対応など、電話・メール・SNSでの問い合わせ対応を行うだけでなく、FAQの作成なども行います。迅速かつ正確な対応が満足度に直結するため、状況判断力やコミュニケーション能力が重要になります。

安全管理

イベントの安全性を確保し、円滑な運営を支えるのが、警備スタッフや保険アドバイザーです。来場者や関係者がイベントに集中できるように、リスク管理やトラブル対応を担います。

警備スタッフ（警備会社）

会場の安全を守る役割を担い、不審者のチェック、入退場の管理、混雑時の誘導、緊急時の対応などを行います。イベントでは観客の安全確保が最優先のため、警備計画の策定や他の運営スタッフとの連携が求められ、冷静な判断力やトラブル対応能力が必要です。

保険アドバイザー（保険会社）

イベントに関連するリスクを分析し、イベント運営側に対して適切な保険プランを提案する職種です。天候による中止リスク、事故や怪我、機材の破損など、さまざまなトラブルに備えた保険を手配します。

主な仕事内容には、主催者へのリスク説明や、適切な保険商品の提案、契約手続き、万が一の際の保険金請求サポートなどが含まれます。特に天候の影響を受けやすい屋外イベントやスポーツイベントでは、リスク管理の観点から保険の重要性が高まります。

その他の仕事

ここまで紹介した仕事以外にも、イベントを支える専門職がいます。

ケータリングスタッフ

イベントで飲食を提供する仕事です。食材の手配、調理、配膳、衛生管理、後片付けなどを行います。また、会場の規模やイベントの趣旨に応じて、メニューを考案することもあります。

特に社内イベントや周年パーティー、セレモニーといったイベントで需要が高い仕事です。

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通訳・翻訳スタッフ

国際的なイベントで、異なる言語を話す参加者や関係者の間で円滑なコミュニケーションがとれるようサポートする職種です。海外からのゲストの対応や、イベント資料・スピーチの翻訳、会場での同時通訳などを行います。

国際会議やスポーツ大会、観光誘致イベントなどでは、通訳・翻訳スタッフの存在が欠かせません。

アーティストマネージャー

ライブイベントやエンタメ系のイベントで、出演者のスケジュール管理や調整を行う仕事です。イベント主催者との交渉、リハーサルの手配、当日の進行サポートなど、アーティストを支えるために多岐にわたる調整を担います。

アーティストが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、事務的な調整だけでなく、精神的なサポートを行う役割も持ちます。

まとめ

イベントを成功させるためには、企画・運営・技術・マーケティングなど、多くの職種が連携する必要があります。そのために、イベント業界にはさまざまな適性を持った人が活躍できる仕事が存在します。

自分自身の興味や強みを活かせる職種を見つけることで、イベントの世界でやりがいを感じられる仕事に出会えるかもしれません。どのような役割に興味があるのか、本記事を参考に考えてみてはいかがでしょうか。