本記事では、イベント運営担当者の概要、仕事内容、1日の仕事の流れ、働き方・ライフスタイル、年収、求められる適性・向いている人、働く辛さ・大変さ、将来性、イベント運営担当者になる方法、関連する資格について紹介します。

イベント運営担当者とは

イベント運営担当者とは、イベントの運営を担当する人です。イベントMCや、設営、受付、運営サポート、撤去など、イベント運営にかかわるさまざまな仕事を担当する人を指します。

なお、ここでいう「イベント」には、ライブやコンサート、フェスティバル、ヒーローショー、展示会、セミナーなどの多様なイベントが含まれます。

イベント運営担当者の仕事内容

どのようなイベントなのか、何の担当になるかによって、イベント運営担当者の仕事内容は変わります。

たとえば、イベントMCの担当になった場合、主な仕事はイベントの司会進行になります。イベントMCは、そのイベントを主催するイベント会社や会場専属のMCが担当することもありますが、プロダクションから派遣されたり、フリーランスに業務委託したりすることもあります。

また、イベントスタッフ（アルバイト）をまとめるのも、イベント運営担当者の仕事になります。イベントスタッフの仕事としては、たとえば以下のようなものがあります。

イベント運営担当者の仕事の流れ（1日）

どのようなイベントを開催するのか、何の担当になるのかによって、イベント運営担当者の1日の流れは変わります。ここでは一例として、株式会社IKUSAの「チャンバラ合戦」を実施した際の、イベント運営担当者の1日を紹介します。

イベント運営担当者の働き方・ライフスタイル

イベントの運営に携わりたいなら、就職先としてはイベント会社やイベント会場、ブライダル業界などが考えられます。基本的には毎日さまざまなイベントに参加し、運営をサポートすることになります。イベントがない日は、イベントに向けた準備が基本的な仕事になるでしょう。

イベントの内容にもよりますが、開催日が土日祝に設定されることが多いため、イベント運営担当者になると、カレンダー通りの休みが取れないことが多くなります。しかし、土日祝に働いた場合は、平日に代休を取得できる会社がほとんどなので、月間の休日は十分に取ることができます。

イベント運営担当者の年収

イベント運営担当者の年収は、就職先の会社の規模や、その会社で手がけるイベントの種類によっても変わります。あくまで目安ですが、年収280万～320万円程度までの求人が多いようです。

イベント運営担当者に求められる適性・向いている人

では、イベント運営担当者にはどのような人が向いているのでしょうか。

ホスピタリティ精神がある人

ホスピタリティ精神とは、「思いやり」や、「丁寧なおもてなしの精神」のことです。

イベントを成功させるために何より大切なのは、「参加してくれる人を楽しませたい」「喜んでもらいたい」という気持ちです。そして、イベント運営担当者には、その気持ちを行動に移せるということも求められます。

ホスピタリティ精神があり、その精神に則った行動ができる人が向いている仕事といえるでしょう。

体力に自信がある人

イベントは、丸1日かけて行われるものも多いです。イベント運営担当者は、1日中いろいろなところを走り回り、運営をサポートしなくてはなりません。単発のイベントスタッフのアルバイトなら、イベント当日だけ乗り切ることができればよいですが、イベント会社に就職して運営担当者になれば、基本は毎日何かしらのイベントを運営することになります。そのため、体力がないと、イベント運営担当者として働くことが苦しくなるかもしれません。また、搬入搬出・設営や機材運搬などの担当者には、体力だけでなく力（筋力）もある程度求められます。

イベント運営担当者の仕事は肉体労働であるため、体力や力に自信がある人のほうが向いているでしょう。

コミュニケーション能力がある人

イベントは、多くの関係者と一緒に作り上げていくものなので、周りの人と円滑なコミュニケーションをとれるというのも重要なポイントです。また、受付や案内・誘導、ファシリテーターなどの担当になると、直接イベントの参加者と接することもあります。初対面の参加者に対して適切なサポートを行うためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。

さらに、イベントの規模にもよりますが、円滑な運営のために、ある程度まとまった人数のアルバイトが採用されることもあります。そのアルバイトの人たちを動かすのも、イベント運営担当者の仕事です。アルバイトの人たちと円滑にコミュニケーションがとれないと、指示が正しく伝わらなかったり、アルバイトの人たちが気持ちよく働けなくなったりする可能性があります。

このように、イベント運営担当者はさまざまな人とコミュニケーションをとらなければならないので、コミュニケーション能力がある人が向いているでしょう。

臨機応変に対応できる人

イベントは多くの場合、やり直しがきかない一発勝負です。しかし、本番中に何かトラブルが起こることもあります。たとえば、屋外のイベントで急に大雨が降ってくる、機材トラブルが発生するなどです。

イベントを成功させるためには、このようなトラブルにも対応しなければなりません。そのために、自分で考えて臨機応変に動くことが、イベント運営担当者一人ひとりに求められます。

想定外のことが起きたときでも、臨機応変に対応できる人が向いているでしょう。

イベント運営担当者として働くつらさ・大変さ

イベント運営担当者の仕事は体力が求められるため、自信がない人は「つらい」と感じる可能性があります。よく聞かれる声としては、「基本的に座っていられる時間がほとんどないので足腰がきつい」「重いものをたくさん運ばないといけないのでしんどい」などが挙げられます。

また、土日祝に休みを取りにくく、家族や友人と予定を合わせるのが難しくなることも、「つらい」と感じるポイントかもしれません。

しかし、イベントが成功し、参加者が笑顔になってくれたときには、大きな喜びを感じられます。イベント運営担当者の仕事は、非常にやりがいのある仕事です。

イベント運営担当者の将来性

イベント運営担当者になった後は、就職した会社の中でイベントディレクターやイベントプロデューサーになる道が考えられます。これらは未経験から転職するのは難しい職種なので、まずはイベント運営担当者として経験を積んでいくことで、なれる可能性も高まるでしょう。

イベント運営担当者になるには

では、どうすればイベント運営担当者になれるのでしょうか。

新卒入社を目指すには

先ほどお伝えしたように、イベント運営担当者を目指す場合の就職先として考えられるのは、イベント会社、イベント会場、ブライダル業界などです。必要な資格や有利な学部などは特にありませんが、もし「このようなイベントの運営に携わりたい」という希望があるなら、その分野を専門に学ぶのも一つの方法でしょう。たとえば、「音楽系のイベントにかかわりたい」と考えているなら、音楽ビジネスの専門学校に進む道が考えられます。

また、学生のうちにイベントスタッフのアルバイトをしておくのもおすすめです。イベントにかかわる仕事は、経験が重視されることが多いので、イベントスタッフのアルバイト経験があれば、面接で評価してもらえる可能性が高いでしょう。

未経験から転職するには

イベント運営担当者の仕事内容はそこまで難しいものではないので、未経験からでも目指すことができます。イベント業界やイベント運営について知識があると有利になることが多いので、一度イベントスタッフのアルバイトをしてみてもよいかもしれません。また、面接の際は、先ほど紹介したイベント運営担当者に求められる適性やスキルをアピールできる具体的なエピソードを用意しておくとよいでしょう。

イベント運営担当者に関連する資格

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イベント運営担当者になるために必要な資格は、特にありません。ただ、イベント運営についての知識やスキルを有していることを証明できる資格はあります。これらを取得しておくと、転職で有利になる可能性はあるでしょう。また、キャリアアップにも役に立ちます。

• イベント業務管理士
• イベント検定
• スポーツイベント検定
• ユニバーサルイベント検定

これまでにアルバイトでも構わないので、イベントの実務経験が3年以上あるなら、「イベント業務管理士」の2級がおすすめです。2級を持っていれば、イベントのアシスタントディレクター並みの知識・スキルを有していることをアピールできます。

2級に合格し、イベントの実務経験を5年以上積み、受験資格審査を通過すると、1級にチャレンジできるようになります。1級は、イベントディレクターを想定した資格です。将来的にイベントディレクターやイベントプロデューサーになることを目指しているなら、受験を検討してみてはいかがでしょうか。

その他の3つの検定、「イベント検定」「スポーツイベント検定」「ユニバーサルイベント検定」は、誰でもイベントについて学べる検定となっています。詳しくは、これらの資格・検定を実施している一般社団法人日本イベント産業振興協会のホームページをご覧ください。

公式サイト：イベント資格試験｜一般社団法人日本イベント産業振興協会（JACE）