子どもと接する仕事12選

仕事を探している人のなかには、「子どもの成長を見守りたい」「子どもたちの笑顔に関わる仕事がしたい」といった思いを持っている人もいるでしょう。子どもと接する仕事は、教育・保育・医療・サービスなどさまざまな分野に広がっています。

本記事では、子どもたちの健やかな育ちを支える「子どもと接する仕事」に注目し、代表的な12の職業を紹介していきます

子ども接する仕事12選

子どもと接する仕事には、教える・育てる・守る・楽しませるなど、さまざまな形があります。仕事によって、学校や保育施設、病院、地域の遊び場、家庭など、活躍のフィールドも多岐にわたり、関わる年齢や接し方もさまざまです。

ここからは、実際にどのような仕事があるのかを見ながら、それぞれの仕事の目的や役割、子どもとの向き合い方ややりがいについて具体的に紹介していきましょう。

保育士

保育士は、保育園や児童福祉施設などで子どもたちの生活を見守り、成長を支える職業です。遊びや食事、排せつなどの生活と関わる部分をサポートしながら、子どもが社会性や自立心を育んでいけるようにする役割を担います。

日々の仕事では、子ども一人ひとりの性格や発達段階に応じた関わり方が求められます。泣いたり怒ったりする子どもの気持ちを受け止め、安心できる環境づくりを心がけます。

この仕事の重要なポイントのひとつは、保護者との連携です。家庭での様子を共有したり、子育ての悩みに寄り添ったりすることで、保護者との信頼関係を築き、しっかりと連携して子育ての方向性を共有することも重要です。

成長の節目に立ち会い、小さな変化やできることが増えていく喜びを間近で感じられるのが、保育士ならではのやりがいです。

学童保育指導員

学童保育指導員は、放課後や土曜日、長期休暇中の小学校低学年の子どもを中心に、遊びや生活の場をつくり、サポートする職業です。

子どもたちは、学校とは違う環境で自分のペースで過ごしたり、異なる学年の友達と関わったりすることで、社会性や自主性を身につけていきます。指導員は、子ども一人ひとりの個性や考え方に寄り添い、必要に応じて声をかけ、サポートをします。時にはけんかの仲裁をしたり、宿題を見守ったりと、日常のさまざまな場面で子どもたちと関わります。

この仕事の重要なポイントのひとつは安全の確保です。保護者にとっても、安心して子どもを預けられる場所であることが求められ、子ども自身が「ここに居たい」と思えるためには、安心できる大人の存在が欠かせません。また、学童で過ごす子どもの出来事や様子を保護者とも共有し、家庭との間に信頼関係を構築し、連携していくことも重要です。

学童保育指導員の魅力は、子どもたちの成長を間近で見守れることにあります。できなかったことができるようになったり、人との関わり方が少しずつ上手になっていったりする姿は、喜びとやりがいにつながります。

ベビーシッター

ベビーシッターは、家庭に訪問して保護者の代わりに子ども(主に乳幼児)を見守り、世話をする仕事です。保護者が仕事や用事で外出している間、乳幼児の遊び相手になったり、食事、昼寝、などを補助したりすることで、子どもが安心して過ごせるよう見守ります。

ベビーシッターの仕事では、安心感を与えることが第一です。初めて会う子どもが不安にならないように、優しい声かけや接し方で、信頼関係を築くスキルが求められます。また、子どもの表情や泣き方から気持ちを読み取る力も求められます。また、ベビーシッターは、家庭ごとの価値観や育児方針に合わせて柔軟な対応することも大切です。利用する保護者との事前の話し合いで、希望をくみ取り、ニーズに合わせたサポートができるとよいでしょう。

ベビーシッターの仕事の魅力は、子どもの成長に関わることができ、保護者から「助かった」「安心して任せられた」と感謝されることでしょう。家庭というプライベートな空間で、子どもにとっての「もう一人の安心できる大人」になれるやりがいのある仕事です。

小学校教諭

小学校教諭は、子どもたちに基礎的な学力と社会性を育むための教育を行う職業です。国語や算数、理科、社会といった教科の指導に加え、生活指導や学級運営、行事の企画運営、保護者との連携など、業務は多岐にわたります。学びの楽しさを伝えると同時に、集団生活の中でのマナーや思いやり、自己表現の方法など、人生の土台となる部分を教える役割も担います。

子どもたちと接するうえで大切なのは、個性を尊重しながら、公平な姿勢を持ち続けることです。一人ひとりの性格や理解のペース、家庭環境はさまざまであり、柔軟に寄り添う姿勢が求められます。また、友人関係や不安に気づき、声かけや支援を行うのも小学校教諭の役割です。

小学校教諭の仕事において重要なことは、子どもにとってわかりやすく、興味を持てるような授業にできるように工夫を重ねる姿勢です。授業の内容や進め方、言葉のかけ方一つで子どもの反応は大きく変わるため「自分の言葉や姿勢が子どもに大きな影響を与える」という責任もあります。1日のうちの長い時間を子どもと過ごし、多くのことを教えることで、子どもたちの成長を見守るやりがいのある職業です。

小児科医

小児科医は、一般的に、新生児から15歳程度までの子どもを対象に、病気やけがの診断・治療・予防を行う医師のことです。風邪や発熱などの一般的な症状から、先天性疾患、発達障害、心の不調まで、幅広い分野に対応します。特に、乳児や幼児は身体の発達が未熟で症状が急変しやすく、保護者も不安になりやすいため、的確に治療やアドバイスを行える小児科の存在は重要です。

子どもと接する際には、身体の具合を見るだけでなく、信頼関係を築く力も求められます。子どもは自身の症状をうまく言葉で伝えられないことが多く、泣いたり怖がったりすることもあります。だからこそ、優しい声かけや親しみやすい雰囲気をつくり、安心して診察を受けられるようにすることが大切です。

小児科医の仕事の重要なポイントは、「病気の診療」だけでなく、「成長全体を見る視点」を持つことです。例えば、言葉の遅れや発育の偏り、家庭環境の影響などにも注意を払う必要があります。身体の診療と同時に、子ども一人ひとりの背景に目を向けることが小児科医の役割です。

このように、小児科医は医療の専門性と人間的な温かさの両方が問われる、責任ある仕事です。その分、子どもたちの未来に関わり、支えていけるというやりがいがあります。

児童館職員

児童館職員は、児童館において子どもたちが安全に遊び、学び、交流できる場所を提供する職業です。児童館は0歳から18歳までの子どもが自由に利用できる地域の施設であり、遊びを通して心身の成長を支えるとともに、保護者や地域とのつながりを育む役割も担っています。職員はその運営を支える中心的な存在であり、生活を見守るだけでなく、イベントやワークショップの企画、保護者の相談対応など、多様な業務に取り組みます。

子どもとの接し方には、年齢や性格に応じた柔軟な対応が求められます。遊びの相手として一緒に楽しむこともあれば、ケンカの仲裁や社会のルールを教える場面もあります。この仕事の重要なポイントは、「遊び」を教育や育成の観点からとらえる視点です。ただ楽しませるだけではなく、集団の中での過ごし方や思いやりの心を育てるために、時には厳しさも必要になることがあります。

地域に根ざし、未来を担う子どもたち成長を間近で感じられることは、児童館職員の大きなやりがいです。また、卒館後に訪ねてきてくれる子どもや、感謝の言葉をもらったときなどは、大きな喜びを感じられます。

遊園地スタッフ

遊園地スタッフは、来園者が安心して楽しい時間を過ごせるよう、施設全体を支える職業です。アトラクションの運営、安全管理、チケットやグッズの販売、園内の案内など、業務は多岐にわたります。

子どもと接する場面では、乗り物に緊張している子どもには笑顔で声をかけ、迷子の対応では優しく安心させるように接するなど、その子の目線に合わせた対応が必要です。また、遊園地スタッフは、遊園地の雰囲気を左右します。アトラクションの進行、チケット販売や園内案内、ショップでの接客など、すべての業務で明るく丁寧な対応を行い、「楽しい空間であること」を崩さない意識が求められるでしょう。

小さな子がアトラクションを楽しむ姿や、家族の幸せなひとときを間近で感じられたりするのは、この仕事ならではの魅力です。

イベントスタッフ

イベントスタッフは、イベントが円滑に進行し、来場者が安心して楽しめるようにする仕事です。音楽フェスや地域のお祭り、スポーツ大会、企業の展示会、子ども向けのワークショップなど、幅広いイベントをサポートします。

イベントの種類によって業務内容も異なりますが、子ども向けイベントでは、受付での対応やアクティビティのサポート、迷子対応などを通して、子どもが不安なく過ごせるように接する姿勢が求められます。ときには、子どもと一緒に盛り上がったり、楽しい雰囲気を演出したりすることも役割の一つです。

イベントスタッフにとって大切なのは「臨機応変な対応力」と「チームワーク」です。イベントの現場では予期せぬトラブルや変更が起こることも多々あり、スタッフ間で素早く情報共有しながら、対応する力が必要です。

イベントスタッフは、参加する子どもの笑顔を見ることや、イベントが無事に終わった達成感といったやりがいを感じられる仕事です。

スポーツインストラクター

スポーツインストラクターは、運動やスポーツを通じて子どもたちの体力づくりや健康維持、技術向上をサポートする職業です。活動の場は、水泳教室や体操クラブ、サッカークラブなど、さまざまです。

子どもと接する際には、楽しく参加できる雰囲気づくりが重要です。運動が苦手な子や、人見知りの子もいるため、一人ひとりに目を配り、安心してチャレンジできるような声かけやサポートが必要です。子どもの年齢や発達段階に合わせた指導が求められ、運動の楽しさを伝えながら、心身の成長を促すことが、スポーツインストラクターの役割です。

仕事においては、安全への配慮と指導の柔軟性が求められます。子どもは予想外の行動をすることも多く、事故やケガを防ぐために常に周囲を観察し、臨機応変に対応する力が求められます。また、運動の習熟度には個人差があるため、成功体験を積ませる工夫や、子どもに応じた課題設定も必要なスキルの一つです。

子どもにとって、スポーツインストラクターは「できるようになるきっかけ」をくれる存在です。子どもたちの身体だけでなく心の成長もサポートできるこの仕事は、スポーツを通じて子どもの未来を育てるやりがいがあります。

図書館司書

図書館司書は、図書の整理・管理・貸出対応に加え、利用者の読書案内を行い、図書館を快適に利用できるようにする職業です。

子どもと接するときには、本に興味を持てるよう、年齢や発達段階に応じた絵本や児童書を紹介したり、読み聞かせ会やワークショップを開催したりと、子どもが読書と出会う場を整える役割もあります。そのために、正確な情報をもとに本を案内できる力と、そのための知識が必要です。例えば「動物の本が読みたい」といった子あいまいな相談に対しても、年齢に合った本や人気シリーズ、図鑑のどれを選ぶかを判断する必要があります。

この仕事のやりがいは、日々の対応を通じて子どもが少しずつ読書に親しみ、図書館を身近に感じるようになることにあります。読み聞かせをきっかけに自分で本を選べるようになったり、貸出履歴から好みの変化を感じ取れたりと、陰ながら子供の成長に関われる実感がある仕事です。

おもちゃ屋店員

おもちゃ屋店員は、店頭での接客・販売をはじめ、おもちゃの陳列や補充、在庫管理などを通じて、子どもとその家族にとって楽しい買い物体験を提供する仕事です。季節感やプレゼントの需要に応じて売場を整えることも大切です。

子どもと接するときは、目線を合わせて話したり、興味を引く商品を紹介したりと、親しみやすさと明るい対応が求められます。おもちゃの選び方や遊び方を保護者に説明する場面では、丁寧なやりとりが信頼につながります。そのためには、商品に関する正確な知識と、安全性への配慮です。対象年齢や遊び方を伝えるだけでなく、誤飲の危険があるパーツや耐久性などを、保護者に具体的に伝える配慮も必要です。また、子どもが手に取りやすい陳列や、安全に歩き回れる売場づくりも大切な工夫のひとつです。

おもちゃ屋店員のやりがいは、子どもや家族の買い物に寄り添い、楽しい時間を共有できることです。子どもがお気に入りのおもちゃを見つける瞬間や、保護者から感謝の言葉をもらえる場面に立ち会うことで、販売する側も嬉しさを感じる職業です。

写真館スタッフ

写真館スタッフは、記念写真の撮影を通じて、家族や個人の節目を記録する仕事です。主な業務には受付、衣装選びのサポート、ヘアメイク、撮影、写真選びの案内などがあり、それぞれの役割をもつスタッフが連携して対応します。

子どもと接する際には、緊張をほぐす声かけや遊びを取り入れるなど、まずは安心できる雰囲気をつくることが大切です。年齢や性格に応じた対応が求められるため、観察力と柔軟な対応力が必要です。衣装やスタジオに慣れていない子どもも多いため、親しみやすく接しながら徐々に撮影に向けて気持ちを整えていきます。

重要なのは、撮影全体を円滑に進める段取り力と、表情やポーズだけでなく、衣装や背景とのバランスにも気を配りながら、写真として残る一瞬を見逃さない集中力です。日々の業務は多岐にわたりますが、子どもの成長の節目に立ち会い、写真という形でその瞬間を残すことは大きなやりがいとなるでしょう。

まとめ

子どもと接する仕事は、子どもの成長や変化を間近に感じられる魅力があります。教育や保育、医療、販売、遊びのサポートなど、子どもと接する場面は多岐にわたり、仕事内容や関わり方は職業によってさまざまですが、それぞれの立場から、子どもが安心して過ごせる環境づくりに携わることが大切です。

子どもの反応は素直だからこそ、大人が気付きを得たり、大人の関わりがその子どもの思い出として残ることも少なくありません。ときには根気や工夫が必要だったり、思い通りにいかない場面もありますが、その分、関わった子どもが笑顔を見せたり、打ち解けてくれたりしたときの手応えは大きなものでしょう。

「子どもとどのように関わりたいか」を考えることは、やりがいのある仕事を見つけるヒントになるでしょう。

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