
本記事では、イベントプランナーの概要、仕事内容、1日の仕事の流れ、働き方・ライフスタイル、年収、求められる適性・向いている人、働く辛さ・大変さ、将来性、イベントプランナーになる方法、関連する資格について紹介します。
イベントプランナーとは
イベントプランナーとは、イベントの企画・各種手配・業者や人員の管理を担当する人です。メインはこれらの業務になりますが、集客・プロモーションや、イベントの運営など幅広い業務に携わります。
ここでのイベントとは、コンサートやフェスティバル、展示会、博覧会などだけでなく、企業の販売促進キャンペーンや自治体主催のセミナー、コンクールなども含みます。
イベントプランナーと似ている職種に、イベントコーディネーターやイベントプロデューサーがあります。いずれも明確な定義はありませんが、イベントコーディネーターはイベントプランナーの別称と捉えて問題ないでしょう。そしてイベントプロデューサーとは、イベントの統括責任者を指します。または、イベントプランナーのリーダー的存在の人をイベントプロデューサーと呼ぶこともあります。
イベントプランナーの仕事内容
イベントプランナーの仕事は、大きく以下の4つに分けることができます。
企画
まずは、イベントの企画です。クライアントの要望や課題をヒアリングし、最適なイベントを企画して提案します。自治体は企画競争やコンペで委託先を決める場合も多いため、ときには他社と競うこともあります。
イベントの資金が足りない場合は、スポンサーや協賛者などを集めるのもイベントプランナーの仕事です。
準備
企画が決まれば、イベントの当日に向けて準備していきます。
まずはどのように準備を進めていくのか、開催までの具体的なスケジュールを作成し、担当者を振り分けます。そして、会場も早めに押さえておかなければなりません。初めて利用する会場、またはしばらく利用していなかった会場を利用する場合は、視察をすることもあります。現地までの交通手段や設備条件などを調査するためです。
その他、設営や運営に必要なスタッフや物品の手配、マニュアル・台本・コンテンツ等の作成、クライアントと当日の細かい内容についてすり合わせなども行います。
集客・プロモーション
参加者が集まらなければ、イベントは盛り上がりません。準備と並行して、集客・プロモーションを行うことも、イベントプランナーの仕事です。具体的には、販促ツール選定、キービジュアルや文章作成、広告媒体やSNSへの掲載などを行います。
運営
イベント当日は、イベントが円滑に進むように全体をまとめます。
具体的な業務としては、まずイベント開始前には搬入、ブリーフィング、設営指揮、リハーサル指揮など、本番中は進捗管理、タイムマネジメント、安全管理などを行います。
また、イベント終了後にはアンケート対応や、他のスタッフとともに会場の撤収作業にも参加します。さらに、後日クライアントに振り返りの提案をすることも、イベントプランナーの大切な仕事です。
イベントプランナーの仕事の流れ(1日)
仕事の流れは、所属先やその日のタスクによって変わりますが、一例として、イベント会社で働くイベントプランナーのある日のスケジュールを紹介します。
10:00~ | クライアント打ち合わせ(ディレクション) |
11:00~ | 社内のイベントプランナーとミーティング |
12:00~ | イベントの台本作成 |
13:00~ | 昼休憩 |
14:00~ | イベントのマニュアル作成 |
16:00~ | クライアント打ち合わせ(振り返り) |
17:00~ | イベントの物品の用意・積み込み |
19:00 | 退勤 |
イベントプランナーの働き方・ライフスタイル
イベントプランナーとして働きたいなら、就職先としてはイベント会社や広告代理店、総合エンターテインメント会社、ブライダル業界などが考えられます。または、テーマパークやイベント会場に就職し、そこで開催するイベントを専門に手掛ける働き方もあります。あまり多くはありませんが、自治体の広報室で働く人もいます。
イベントプランナーは、規則的な仕事ではありません。特にイベント開催日が近づくと、残業も多くなりがちです。また、イベントは土日祝に開催されることも多いため、カレンダー通りの休みを取りにくくなります。ただ、代休は取得できる会社がほとんどなので、休日自体は十分に確保できます。
イベントプランナーの年収
イベントプランナーの年収は、個人の経験や能力、会社の規模などにより異なります。求人を見ると、イベント会社の場合は年収300万円~800万円程度が多いようです。大企業なら、1,000万円以上で募集される場合もあるでしょう。
イベントプランナーに求められる適性・向いている人
では、イベントプランナーにはどのような人が向いているのでしょうか。
創造力がある人
創造力とは、新しいもの・アイデアなどを生み出し、それを形にしてく力のことです。
イベントプランナーには、魅力的なイベントを企画することが求められます。そのため、これまでにないような発想で新しいアイデアを生み出す力が欠かせません。
創造力がある人は、好奇心が旺盛で、新しいものやトレンドにも敏感な人が多いです。常に周りから情報を取り入れて、アイデアを生み出すヒントにしています。
リーダーシップがある人
イベントを成功させるには、イベントにかかわる社内スタッフや社外の関係者を動かしていかなければなりません。イベントプランナーには、多くの人をチームとしてまとめて、目標に向けて率いていく力が求められます。
また、イベントプランナーの仕事は多岐に渡るため、複数のことを同時に進めていけるマルチタスク能力や管理能力も必要です。
そのため、リーダーシップがある人や、これまでに何らかのリーダーの経験がある人が向いているといえます。
コミュニケーション能力が高い人
イベントプランナーは、人とコミュニケーションをとることが多い仕事なので、コミュニケーション能力が高い人のほうが向いています。
特に大切なのが、ヒアリング力です。これがなければ、クライアントのニーズを正しく把握することができません。また、各所の要望にすべて応えられるわけではないので、折り合いをつける折衝力も必要でしょう。
ストレス耐性と体力がある人
イベントプランナーは、スケジュールに追われる仕事です。また、人とかかわることも多いため、精神的な負担も大きいといえます。そのため、ストレスを上手に受け流したり、発散したりできる人が向いているでしょう。
そして、イベント当日は忙しく動き回らないといけません。座っている時間がほとんどないこともあるでしょう。体力も求められる仕事であるため、体力にも自信がある人のほうが望ましいです。
逆算思考ができる人
逆算思考とは、目標やゴールから逆算して必要なステップを考え、計画を立てていく思考法をいいます。
イベントのゴールは、「クライアントの目的を達成すること」です。そのためにはどういったプログラムや演出が必要で、それを実現するためにはどのような設備が必要か……と、逆算して考えていくことが求められます。これができる人は、イベントプランナーに向いているでしょう。
イベントプランナーとして働くつらさ・大変さ
イベントプランナーは、気力と体力が求められる仕事です。慣れるまでは「つらい」「大変」と感じることも多いかもしれません。具体的なつらさ・大変さをいくつか挙げてみます。
- イベントが決まればスケジュールに追われるようになり、勤務時間も長くなりがち。
- 休みがカレンダー通りに取れないので予定が立てにくい。
- 「成功させなければ」というプレッシャーがストレスになる。
- 華やかなイメージがあったが、実際は地道な作業が多い。
イベントプランナーは決して楽な仕事ではありません。しかし、自分が企画したイベントが成功すれば、大きな喜びややりがいを感じられる魅力的な仕事でもあります。
イベントプランナーの将来性
オンラインやハイブリッドといったイベントの形態も定着し、イベントは多様化しています。イベント業界は、今後さらなる成長が見込まれる業界です。
また、最近はトキ消費(※)が注目されていますが、イベントプランナーはまさに、そのトキ消費の場を提供する仕事といえます。
このような時代の変化を見ても、将来性がある職種と考えられるのではないでしょうか。
※トキ消費とは……その時間・その場所でしか体験できないことにお金を支払う消費行動のこと。
イベントプランナーになるには
では、どうすればイベントプランナーになれるのでしょうか。
新卒入社を目指すには
イベントプランナーになるために必要な資格や学歴、有利な学部・学科も特にありません。ただ、大手企業には難関大学出身者が集まる傾向があるようです。
もし手がけたいイベントが決まっているなら、その分野を専門に学ぶ道もあります。たとえば、「ブライダルイベントを手掛けたい」という希望があるなら、ブライダル関連の専門学校へ行くと、進路が決まりやすくなるでしょう。
入社後はいきなりイベントプランナーになるのではなく、まずは他の業務(事務、営業など)を通してイベントのノウハウを学んでから就くことが一般的です。
未経験から転職するには
中途採用の場合は、即戦力になれるイベントプランナーを求める会社が多いため、未経験からの転職はなかなかハードルが高いかもしれません。未経験OKの求人もありますが、その場合は新卒入社同様に、初めは他の業務からスタートとなるケースが多いでしょう。
ある程度現場経験が求められる仕事なので、まずは経験を積むために、契約社員やアルバイトから始める人もいます。
イベントプランナーに関連する資格
お伝えしたように、イベントプランナーになるために必要な資格などはありませんが、取得するとキャリアアップが期待できるものはあります。
- イベント業務管理士
- イベント検定
- スポーツイベント検定
- ユニバーサルイベント検定
イベント業務管理士は、一定の年数以上の実務経験がある人が受験できる、プロフェッショナル向けの資格です。イベントディレクターを想定した1級と、アシスタントディレクターを想定した2級があります。その他の3つの検定は、誰でも受験可能です。イベントの基礎知識・スキルを身につけるために、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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