
本記事では、イベントプロモーターの概要、仕事内容、1日の仕事の流れ、働き方・ライフスタイル、年収、求められる適性・向いている人、働く辛さ・大変さ、将来性、イベントプロモーターになる方法、関連する資格について紹介します。
イベントプロモーターとは
イベントプロモーターとは、イベントのプロモーションを主な仕事とする人のことです。プロモーションとは、多くの人に知ってもらえるように、Webサイト、SNS、テレビ、ラジオ、新聞などさまざまなメディアを使って、情報を広めることをいいます。イベントプロモーターは、ターゲットがそのイベントに「参加したい」と思ってくれるような宣伝方法を考え、ディレクターとともに企画し、それを実行します。
イベントプロモーターの中でも、音楽イベントやコンサートのプロモーションを手掛ける人は、「コンサートプロモーター」と呼ばれることもあります。
なお、「プロモーター」はさまざまな業界に存在しており、業界ごとに何をプロモーションするかは異なります。たとえば、音楽業界であれば、アーティスト自身やその楽曲を、スポーツ業界であれば、試合やスポーツ関連のイベントなどをプロモーションします。
イベントプロモーターの仕事内容
ここからは、イベントプロモーターの仕事内容を詳しく紹介していきます。
イベントのプロモーション活動
お伝えしたように、イベントプロモーターの主な仕事はイベントのプロモーションです。具体的には、販促ツールの選定や、キービジュアル(KV)の作成、文章作成、メディアへのイベント情報の掲載などを行います。
ただし、イベントプロモーターはあくまでも第三者的な立場であることが大切です。イベント会社側がよいと思う宣伝方法でプロモーションをするのではなく、クライアントが希望する宣伝方法に対してアドバイスをして、クライアントが決めた方法で宣伝していく形となります。
また、イベントのターゲットや開催する地域によっても、適したプロモーション活動は変わってきます。イベントプロモーターには、最適なプロモーション活動を提案し、実行することが求められます。
その他の仕事
仕事の範囲や内容は、所属先によっても異なりますが、イベントが円滑に開催されるように、イベントプロモーターが各種手配を行うこともあります。たとえば、会場やスタッフ、機材・備品の手配、チケット販売などです。また、イベント当日は、出演者の送迎や弁当の手配、スタッフの配置などを任される場合もあります。
イベントプロモーターの仕事の流れ(1日)
イベントプロモーターの1日の流れは、その日イベントがあるのか・ないのか、イベントがあるのならどのようなイベントなのかによっても変わります。ここで一例として、イベントプロモーターのある日の流れ(イベントがあった日)を紹介します。
8:00 | 会社に集合。車でイベント会場に向かう。 |
9:00 | 会場入り。今日の流れ、搬入や設営がスムーズに進んでいるか確認する。 |
10:00 | イベント終了後の撤収・移動の段取りを確認する。 |
11:00 | イベント本番(円滑に進んでいるか、トラブルはないかを注意深く見守る) |
16:00 | イベント終了。撤収作業に参加する。 |
イベントプロモーターの働き方・ライフスタイル
イベントプロモーターになるには、イベント会社やレコード会社、音楽施設、広告代理店などに就職するのが一般的です。業界によっても働き方は変わりますが、どの業界であっても、イベントが決まるとやることが多くなります。イベント直前は特に、残業も多くなる傾向があります。
また、イベント開催日は土日祝であることが多いため、土日祝に働かなければならないことも多くなります。ただ、その分は平日に代休を取得できる会社がほとんどなので、休み自体が少ない職種というわけではありません。
イベントプロモーターの年収
就職する業界や会社の規模にもよりますが、イベントプロモーターは年収400万~600万円くらいの求人が多いようです。
ただ、新人のうちはあまり高い給料は期待できないかもしれません。最初はアシスタントプロモーターとして先輩プロモーターをサポートし、実務経験を積んでからイベントプロモーターになるのが一般的です。
イベントプロモーターに求められる適性・向いている人
では、イベントプロモーターにはどのような人が向いているのでしょうか。
企画力がある人
イベントプロモーターは、どのような層をターゲットにするのか、宣伝方法はどうするのかなど、具体的な企画を立案しなければなりません。そのため、イベントプロモーターには企画力が求められます。
また、適切な企画を立案するためには、マーケティングや広報に関する知識があることと、市場を理解していることも、重要なポイントです。
実行力がある人
企画を立案したら、それをスケジュール通りにこなしていくことも求められます。実行力も、イベントプロモーターに欠かせない能力です。また、企画は多くの人と協力しながら進めていくので、人を動かす力も必要になります。
また、最初はアシスタントプロモーターとして先輩のサポートから始まるのが一般的ですが、アシスタントの立場でも、自分で考えて動くことが求められます。指示されてから動くのではなく、自主的に動ける人のほうが向いている仕事といえるでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
イベントプロモーターは、あくまでも第三者的な立場で企画を提案することが大切なので、クライアントの希望を正確に聞き取る力、企画をわかりやすく説明するなどが必要になります。
また、イベントを成功させるためには、社内外のさまざまな人とコミュニケーションをとり、協力しながら仕事を進めていかなければなりません。そのため、コミュニケーション能力は欠かせない能力です。
文章力がある人
イベントプロモーターは、メディアに掲載する文章も考えないといけません。ターゲットに響く文章を書ける文章力が必要になります。特に、高いコピーライティング力が求められるでしょう。
マルチタスクをこなせる人
先ほど紹介したように、所属先によってはプロモーション活動と同時に各種手配をしなければならなかったり、イベント当日もさまざまな業務を任されたりすることがあります。そのため、複数のことを同時にこなせるマルチタスク能力が高い人のほうが向いている仕事といえるでしょう。
学び続けようとする人
適切な宣伝方法や伝え方は、時代によっても変わっていくものです。イベントプロモーターには、新しい情報や最新技術、トレンドに関する情報を積極的に取り入れようとする姿勢も求められます。そのため、自分の知らないことを楽しみながら学び続けられる人のほうが向いているでしょう。
イベントプロモーターとして働くつらさ・大変さ
イベントプロモーターは、やらなければならない仕事が非常に多く、どれもスケジュール通りにこなさないといけないので、体力的にも精神的にも負担が大きい仕事といえます。慣れるまでは回復が追い付かず、「つらい」「大変」と感じることも多いかもしれません
また、給料も新人のうちはあまり期待できないでしょう。
しかし、自分が行ったプロモーション活動がきっかけで多くの人がイベントに興味を持ってくれれば、大きな喜びを感じられます。また、イベントが無事終了すれば、達成感も得られます。大変なことも多いですが、非常にやりがいのある仕事でもあります。
イベントプロモーターの将来性
以前はイベントといえば、大きなイベント会場で行われるものが一般的でしたが、最近はオンラインやハイブリッドなど、イベントの形態も多様化しています。また、最近はその日その場所でしか体験できないことに消費をする「トキ消費」という消費行動が注目されています。イベントは、まさに「トキ消費」の場です。イベント業界は、今後さらなる成長が期待できる業界であり、イベントプロモーターも、将来性のある職種といえるのではないでしょうか。
また、イベントプロモーターになった後は、将来的にプロモーターチームのマネージャーや、イベント全体を統括するディレクターになる道が考えられます。
イベントプロモーターになるには
では、どうすればイベントプロモーターになれるのでしょうか。
新卒入社を目指すには
イベントプロモーターを目指すなら、就職先としては、イベント会社やレコード会社、音楽施設、広告代理店などが考えられます。
イベントプロモーターになるために必要な資格は特にありませんが、マーケティングや広報に関する知識が求められる仕事なので、大学や専門学校でこれを学んでおくとよいでしょう。また、面接の際は、先ほど紹介した求められる適性やスキルをアピールできるような、具体的なエピソードを準備しておくことも大切です。
未経験から転職するには
イベントプロモーターは、未経験からの転職は正直厳しい職種といえます。未経験の場合は、アルバイトや派遣社員といった形から始めて、イベント運営の経験を積んだ後に正社員として採用されるケースが多いようです。
イベントプロモーターとしての経験がなくても、これまでにイベント運営にかかわった経験(イベントスタッフのアルバイトをした経験など)や、レコード会社、広告代理店などに勤めていた経験があれば、面接でアピールすることはできるでしょう。
イベントプロモーターに関連する資格
イベントプロモーターになるために必要な資格は特にありませんが、イベント業界で働きたいなら、以下の資格を持っているとキャリアアップに役立つ可能性はあります。
- イベント業務管理士
- イベント検定
- スポーツイベント検定
- ユニバーサルイベント検定
「イベント業務管理士」は、一定の年数以上のイベントの実務経験がある人が受験できる資格です。その他の3つの検定は、受験資格を問いません。受験することで誰でもイベントに関する知識を学べる検定となっていますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
公式サイト:イベント資格試験|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
また、イベントに関する資格ではありませんが、語学力を磨いておくと、海外向けのイベントにも携われる可能性が高まります。TOEIC750~800点程度あれば、転職の際に自分の強みとしてアピールできるでしょう。
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